体が熱を生み出しにくい体質は肥満しやすい
熱生産が悪い人は太りやすい
食事をしたり運動したりすると、体温が温かくなります
体が熱を発生させているのです。
気温が低くなると、熱を発生させて体温を36度程度に保とうとします。
体が熱を発生させることを熱生産といいます。
熱産生がいい人と悪い人では同じ食事をしていても、悪い人は体脂肪が貯めやすい
となります。
熱産生が悪いことを”熱産生障害”と言います
褐色脂肪細胞とβ-3アドレナリン受容体が関わっている
熱産生の良し悪しを左右すると考えられるのは、褐色脂肪細胞の働きです。
この働きが低いと、余分なエネルギーが燃焼されにくく白色脂肪細胞に脂肪として
蓄えられてしまいます。
さらに、熱産生障害には、β-3アドレナリン受容体が関わっています
脂肪細胞の表面にはインスリンという、例えば鍵によって開く扉があり、この扉から
ブドウ糖を取り込み脂肪を合成し蓄積します。
この扉の鍵穴を受容体と言います
脂肪細胞には、インスリン受容体だけでなく、β-3アドレナリン受容体という鍵穴も
あります。
この鍵穴ににアドレナリンという鍵を差し込むと扉が開きます
そうすると蓄えてあった脂肪を燃やすことができます
脂肪細胞がエネルギーを放出し燃焼する仕組み
アドレナリンは、交感神経の高まりによって分泌されるホルモンです。
活動力を高める作用をします。
アドレナリンという鍵がβ-3アドレナリン受容体という鍵穴に差し込まれて脂肪細胞の
扉が開くのも、活動の元となるエネルギー源を供給するためです。
アドレナリンとβ-3アドレナリン受容体が結合すると、白色脂肪細胞は蓄えてあった脂
肪を分解してエネルギー源として遊離脂肪酸を放出します。
褐色脂肪細胞の方も食事からとったエネルギーを燃やすようになります。
(食事誘導性熱代謝)
β-3アドレナリン受容体を作る遺伝子の変異が肥満の原因に
もしβ-3アドレナリン受容体に異常がありアドレナリンが結合できなかったら…?
白色脂肪細胞も脂肪を分解できません。
褐色脂肪細胞もエネルギーを燃焼できなくなります
そしてエネルギーが体内にたまり肥満を招きます。
つまりこのβ-3アドレナリン受容体を作る異常がが肥満の原因とも考えられます。
日本人は欧米人より遺伝子変異が起こりやすく3人に1人はβ-3アドレナリン受容体
を作る遺伝子に異常があると言われています。つまり、脂肪が分解されにくく太りやす
い体質と言えます